いいことアルカも食と健康

2020年9月 2日

食べて身体の中から健康に~薬膳のおはなし~ 

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暑かった夏が過ぎ去り季節は秋へ。
朝晩の気温の変化など、体調を崩しがちの方も多いのではないでしょうか?
なんとなく身体の巡りが悪かったり、疲れがなかなか取れなかったり、目覚めが良くなかったり。

そのような時におすすめなのが『薬膳』。
薬膳や漢方というと、難しい印象をお持ちの方も多いと思いますが、実は身近にある食材には様々な効能を持ったものが数多くあります。
最近ではカフェなどでも薬膳を取り入れているメニューがあり、気軽に薬膳を楽しむことができます。
そこで今回は、日常の食事の中に簡単に取り入れることが出来る薬膳についてお話ししたいと思います。

1. 薬膳とは

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『身近な食材にも薬と同じ効果がある』

薬膳とは、一人一人の体質に合わせて治療法を考える漢方の考え方を基本に、季節や体質に合わせて食材を選んで作る料理のことです。

もともと中国には「医食同源」「食養生」という考え方があり、食材にも薬と同じように身体を治す効果があると考えられていました。

今でも台湾、香港、中国などでは毎日の食事に薬膳が取り入れられています。
薬膳の考えを取り入れて食事を作るためには、まず、食材の持っている性質や味を知ることが大切です。

2. 陰と陽

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『相反する関係のバランスをとることが大切』

陰と陽とは、もともとは月と太陽のことで、相反する関係を指します。
例えば、夜と昼、下と上、寒い暑いなどもこの関係に当てはまります。

漢方では、この陰と陽が互いに協力・抑制し合って、バランスがとれている状態を、よい状態と考えます。

そして食物も陰と陽に分けられ、温める性質は陽、冷やす性質は陰と考えられています。
このことは、薬膳の観点から身体に合う食材を組み合わせるときの大きなポイントになります。

3.五行説

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『あらゆるものは、木・火・土・金・水に分類できる』

古代中国の人々は、「木・火・土・金・水」の5つの物質が、生活の中でなくてはならないものと考えられていました。

自然界のあらゆるものを「木・火・土・金・水」の5つの性質と結び付けて分類したものを五行と呼び、季節、色、味、体の臓器などに対応しています。

この考え方は食材の性質にもかかわっており、五行の間には、お互いにその力を"促す関係"と"抑える関係"があり、それぞれに助け合い、抑制し合いながらバランスをとっています。

4.五性

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『食べものの陰陽の性質を5つの段階に分けたもの』

食べものには身体の機能を促して温めたり、機能を抑えて冷やしたりする性質があります。
その性質を五行に従い、「熱性・温性・平性・涼性・寒性」の5つに分類したものが五性です。

旬の食材は、その季節にふさわしい性質を持っているものが多いのが特徴です。
薬膳では、この意味からも、旬のものを食べることが、身体を健康に保つと考えられています。

熱性のものは、体を温める力が強いので、体の中の冷えや寒さを取り除く効果がある。気血の巡りを良くして、痛みを止め、冷えや、冷えによる下痢などに良い シナモン、胡椒、、とうがらし、羊肉、日本酒など
熱性と同じく、冷えや寒さを取るが、熱性よりも作用は穏やか。疲れを癒したり、冷えによる食欲不振の改善などに適している。気血の巡りも良くする。 なつめ、しょうが、しそ、もち米、かぼちゃ、ねぎ、ももなど
体を温めも冷やしもせず、常食しても体に偏った影響を与えにくい食材。熱性、寒性の強い性質を緩和する働きもあり、ほかの性質の食材と組み合わせやすい。 米、キャベツ、にんじん、じゃがいも、しいたけ、ぶどう、牛肉など
体を冷やす性質を持っているが、作用は寒性より穏やか。微熱、のぼせ、ほてりなどの改善のほか、熱中性予防などの暑い季節の体温調節にも役立つ。 あわ、大麦、きゅうり、セロリ、りんご、梨など
涼性よりもっと強い、体を冷やす性質を持っている。発熱、のどの渇き、顔が赤い、のどの痛み、便秘などの改善や、涼性と同様に、夏の体温調節などに使う。 ゴーヤ、レンコン、スイカ、バナナ、カニ、昆布、わかめ

5.五味

『五行に基づき導き出された5つの味のこと』

五味は、食材の味を五行に基づいて、5種類「酸・甘・辛・苦・鹹(かん)」に分類したものです。
単純に舌に感じる味だけで分けられているのではなく、その味が持つ機能によって分類されています。

食材によっては1つの味だけでなく、複数の味を持っているものも少なくありません。
五味のほかにほとんど味のないものとして分類されている「淡味」、酸味の1種と考えられている「渋味」、という味もあります。

酸っぱい味。引き締める、固めるなどの効果。唾液の分泌を良くしたり、汗や咳を鎮めたり、下痢などの改善にも役立つ。 梅、あんず、ざくろ、ゆず(果肉)、りんご、酢など
甘い味。膵臓や胃の働きを助ける。虚弱体質の改善や食欲増進、痛みを和らげる作用がある。食べすぎは、逆に膵臓や胃に負担をかける。※約7割の食材は甘味 なつめ、米、大豆、じゃがいも、卵、長芋、ハチミツなど
辛い味。発汗作用を促し、気を巡らせて体の中に溜まった寒さや熱、湿気を体の外に出す。血液、体液も巡らせて、胃の調子も整える。 しょうが、胡椒、とうがらし、大根、にんにく、ニラなど
苦い味。排泄作用や体の中の余計な水分を取り除く効能を持つ。便秘、むくみの解消や咳、ぜんそくの改善に役立つ。熱を取る作用もある。 にがうり、レタス、タケノコ、緑茶、みょうがなど
鹹味は塩味の事。硬いものを柔らかくする作用や、詰まっているものを正常に戻す作用がある為、便秘や腫れ物を改善する。 くらげ、のり、昆布、あさり、いわし、ひじき、塩など

6. まとめ

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いかがでしたか?
薬膳では、食べる人の体質や体調、食材の性質、季節の特徴などをふまえて食材の組み合わせを考えていきます。
組み合わせによって、効果がアップしたり、強過ぎる効果を抑えたりする事ができます。

薬膳で取り入れられている食材は、身近に手に入る食材が多いので、気軽に薬膳を楽しむことが出来ますよ♪
ぜひ皆さんも、意識的に日常の食事の中に薬膳を取り入れて、身体の中から健康になりましょう!

今回の担当は、管理栄養士の曲木でした。


(参考文献:「増補新版 薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖」西東社)

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