2022年1月15日
野菜不足解消~1日350g摂るためのポイント~
こんにちは。管理栄養士のHです。
厚生労働省の「健康日本21」では、野菜の1日の摂取目標量は350g以上が推奨されています。
「野菜をたくさん摂った方がいいのはわかっているけど難しい」という方は多いのではないかと思います。実際に、糖尿病や高血圧、脂質異常症など多くの生活習慣病の食事療法には野菜の積極的摂取が挙げられています。しかし、令和元年の国民健康・栄養調査では野菜摂取量の平均は280.5gとなっており、多くの人が野菜不足なのが現状です。
そこで今回は、野菜摂取量を増やすためのポイントをご紹介します。
1. 目安は小鉢5皿分
野菜料理の小鉢1皿で、約70gの野菜が摂取できます。主菜の付け合せや、汁物に入っている野菜もそれぞれ小鉢1皿分として数えます。きのこや海藻も含めます。
料理例
・ほうれん草のおひたし
・具沢山のみそ汁
・ひじきの煮物
・かぼちゃの煮物
・きんぴらごぼう
朝食で1皿、昼食と夕食で2皿ずつ食べると、1日で小鉢5皿(野菜約350g)が達成できます。
2. 主菜や汁物にも野菜をプラス
野菜料理の小鉢を毎日5皿分用意するのは大変かもしれません。
そこで、主菜に付け合わせを添えたり、汁物に野菜を入れたりするのがおすすめです。刺身のつまや大根おろしひとつまみでも、20~30g摂ることができます。もずくのパックや、トマト、きゅうりなどの手軽に食べられる野菜を常備しておくと手軽に野菜が摂れて便利です。
付け合せの例
・キャベツの千切り
・ゆでブロッコリー
・グリル野菜
・いんげんとコーンのソテー
・ピクルス
3. カット野菜や冷凍野菜を活用
<カット野菜>
カット野菜や冷凍野菜は、調理時間が取れない方や、野菜を丸ごと使い切ることが難しい方におすすめです。カット後は時間の経過とともにビタミンが減少するため、購入後はできるだけ早く食べるようにしましょう。
選び方、使い方のポイント
・サラダ用
キャベツや大根などの淡色野菜だけではなく、赤ピーマンやにんじんなどの緑黄色野菜が入っているものがあればそちらを選ぶようにしましょう。たんぱく質がとれる豆製品や卵などを加えるのもおすすめです。
・炒め物用
カット野菜のみで炒めるだけでなく、肉や魚を合わせても使うことができるため便利です。
野菜が不足しがちな麺類と一緒に調理するのもおすすめです。
<冷凍野菜>
冷凍技術が向上したことにより、以前よりもビタミンの損失が少なく、風味も良くなっています。どの野菜も、解凍すると壊れた組織から水分が出てしまうため、凍ったまま調理するとおいしく仕上がります。青菜は冷凍によって食感が変わりやすいので、市販品の冷凍野菜を活用するのがおすすめです。
おすすめの使い方
ほうれん草 | シチューなど煮汁を煮含める料理、炒め物 |
かぼちゃ | コロッケ、サラダなどつぶして使う料理、煮物 |
ブロッコリー | 炒め蒸し、ソースやスープなどにつぶして使う |
自分で冷凍するときのポイント
- 下処理→加熱→冷凍
食べやすい大きさに切ってからゆでて粗熱を取り、しっかり水気を切ってから冷凍しましょう。
下処理、加熱が済んでいると次に使うときにすぐ使えて便利です。
また、栄養や風味をなるべく損なわないようにするには、手早く冷凍することが大切です。薄く平たく並べたり、熱伝導の良いアルミなどの金属製のバットに並べて冷凍しましょう。
- 冷凍に不向きな野菜
水分の多い野菜(トマト、レタスなど)や、ごぼう、たけのこなどは冷凍すると食感が悪くなるため冷凍には不向きです。
4. 外食、惣菜を利用するときのポイント
<和食>
外食の中では比較的野菜が摂りやすいです。定食で野菜が少ないときは、野菜の小鉢を追加するのがおすすめです。
また、食塩が多く含まれる料理が多いので、みそ汁の汁を半分残す、漬け物は摂り過ぎないようにするなどの工夫をしましょう。
<中華>
八宝菜や回鍋肉など、主菜に野菜を使っているメニューがたくさんあります。
油が多いものはエネルギーが高くなりがちなので、ご飯の量を少なめにするなど他で調節しましょう。
<洋食>
メニューによって野菜の量に差があります。サラダバーがあればぜひ利用しましょう。また野菜は生よりも加熱されたもののほうがかさが減るのでたくさん摂ることができます。
パスタやハンバーグのソースはトマトベースのものや、大根おろしを選ぶのがおすすめです。
外食では野菜を摂ることが難しい場合が多いので、家で食べるときに不足分を補うように意識してみましょう。
5. まとめ
いかがでしたか?目標量の1日350g以上に近づけるためのポイントをいくつかご紹介しました。
いきなり1日350g以上野菜を摂るのは難しいですが、今回ご紹介したポイントを参考にできることから少しずつ始めてみていただければと思います。たくさん野菜を摂って、より健康に毎日を過ごしましょう。
参考文献:野菜のとり方早わかり 女子栄養大学出版部