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2021年3月 1日

肩こり解消!食生活を見直してみませんか?

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肩こりで悩んでいませんか?厚生労働省の調査(国民生活基礎調査 2019年)によると、肩こりは「自覚症状のある病気やけが」で女性で第一位、男性で第二位です。また現在、コロナ禍でのテレワークの増加や外出自粛生活で家で過ごす時間が増え、さらに肩こりで悩んでいる人が増えていると考えられます。そこで今回は肩こりと食事の関係についてお話ししたいと思います!

1. 肩こりとは?

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首から肩にかけての筋肉は頭や腕の重さを支え、姿勢を保つために緊張し続けています。緊張が続くと筋肉が疲れて疲労物質がたまり、こわばります。硬くなった筋肉は血管を圧迫して血行を悪くします。血行不良になると、筋肉に酸素や栄養素が行き渡らなくなることでさらに疲労物質がたまり、筋肉がますます硬くなるという悪循環を起こします。硬直が進んだ筋肉が末梢神経を圧迫して傷つけて、痛みを引き起こします。これが肩こりのメカニズムです。

2. 肩こりの原因

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肩こりの原因は様々ですが、日常生活に関わることが多くあります。

  • 悪い姿勢の継続:猫背やパソコン作業など下を向いたままの作業を続けていると、首から肩の筋肉に大きな負担がかかり血行が悪くなります。
  • 眼精疲労:本やパソコン、スマートフォンなどを長時間見ていると目やその周りの筋肉が緊張し、首や肩の筋肉にも緊張が及ぶため血行が悪くなります。
  • 運動不足:運動はそれ自体に血行を改善する効果があります。また、筋肉は血液を送るポンプのような役割をしているため、運動不足で筋肉が衰えると血行不良を招きます。
  • ストレス:ストレスを感じると交感神経が優位に働き、筋肉が緊張しやすくなります。緊張状態が続くと筋肉がこわばり血行が悪くなります。
  • 冷え:寒さを感じると交感神経が優位に働き、血管や筋肉を収縮させ体温が下がらないように働くため血行が悪くなります。

肩こりの原因の一部をあげてみましたが、思い当たることはありませんか?まずは自分の肩こりの原因を知りましょう。そして正しい姿勢を心掛けたり、適度な運動を取り入れたり、体を冷やさないなど原因に対応した改善方法を実践しましょう。

3. 肩こりに効果的な栄養素と食べ物

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肩こり解消といえばマッサージやストレッチを思い浮かべる方が多いと思いますが、食生活を見直すことで改善できる場合があります。食生活の基本は1日3回バランスの良い食事をとることですが、特に意識してとりたい栄養素と食べ物をご紹介します。

ビタミンB1 働き 糖質をエネルギーに変える時に必要な栄養素で、疲労物質の処理にも関わっています。脳や神経の働きを正常に維持します
多く含む食べ物 豚肉、大豆、うなぎ、玄米
とり方のコツ ねぎやにんにくなどの香味野菜に含まれるアリシンはビタミンB1の吸収を助けるため、一緒に食べると疲労回復効果がアップします
ビタミンB12 働き 神経の働きを保ちます。葉酸と一緒に赤血球をつくり出し、全身に行き渡らせる助けをします
多く含む食べ物 レバー、貝類(あさりやしじみなど)、魚類(さんまやいわしなど)
とり方のコツ 植物性食品にはほとんど含まれていないので、魚や肉を食べない人は多くとるように意識しましょう
ビタミンC 働き ストレスへの抵抗力を増し、筋肉を疲労から守ってくれます。ビタミンEの働きをさらに高めます
多く含む食べ物 緑黄色野菜(赤ピーマンやブロッコリーなど)、淡色野菜(キャベツやカリフラワーなど)、果物(キウイフルーツなど)
とり方のコツ 水に溶けやすいので水にさらしすぎない、加熱しすぎないようにする。2~3時間で排泄されるので毎食こまめにとりましょう
ビタミンE 働き 血管を広げて血行を促進します。筋肉の緊張をほぐす作用もあるため肩こりを和らげます
多く含む食べ物 かぼちゃ、アーモンド、うなぎ、アボカド、植物油(ひまわり油など)
とり方のコツ 脂溶性なので炒め物や揚げ物にすると吸収率が高まります。植物油は加熱せずにドレッシングに利用するのもおすすめです
マグネシウム 働き 筋肉の緊張を緩和します
多く含む食べ物 海藻類(昆布やわかめなど)、大豆製品(木綿豆腐や納豆など)、アーモンド
とり方のコツ 加工食品などに含まれるリンを多くとると、マグネシウムの吸収が妨げられ不足することがあります
クエン酸 働き 疲労物質である乳酸の分解を促します
多く含む食べ物 梅干し、いちご、柑橘類(レモンやグレープフルーツなど)、酢
とり方のコツ リンゴ酢等の果実酢を水で薄めて飲むのも手軽でおすすめです
ショウガオール 働き

辛味成分のジンゲロールは熱を加えると一部がショウガオールに変化し、血行や新陳代謝を促進してからだを温めます

ジンゲロール:からだの深部の熱を手先や指先に運ぶため、逆に身体を冷やすこともあります

ショウガオール:からだの深部の熱をつくり出して温めます

多く含む食べ物 しょうが
とり方のコツ しょうがを加熱することで発生する成分のため、汁物に入れるのがおすすめです

 

 

これらの栄養素を含む食べ物を取り入れることで、「筋肉をゆるめ、疲労物質を除去し、血行を改善する食事」になります。何から始めようか迷う方に、まずおすすめしたいのは豚肉です。豚肉はビタミンB1の他、ビタミンB12や筋肉のもととなるたんぱく質も多く含まれています。また、手軽に始められるのでおやつにアーモンドを食べることもおすすめです。

4. まとめ

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肩こり解消は原因を取り除くことが根本的な解決方法になります。ただ、原因には習慣化しているものが多く、直すのに時間がかかったり、環境的な理由で変えることが難しい場合もあると思います。そのような場合に今回紹介した肩こりに効果的な栄養素と食べ物を意識して食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

1日ですぐに効果が現れるものではありませんが、毎日の食事の積み重ねでからだがつくられています。からだの中から肩こり解消を目指しましょう。

今回は管理栄養士のOが担当しました。

 

参考文献:「あたらしい栄養辞典」 田中 明 蒲池 桂子 株式会社日本文芸社

「食欲不振から肩こりまで からだの不調を食事で治す」 工藤 和彦© 女子栄養大学出版部

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