梅雨に負けない食事のポイント
もうすぐ梅雨の時期がやってきます。ジメジメした雨が続くと、なんだか気分が晴れないという方も多いのではないでしょうか。この時期は体調不良が起こりやすい時期でもあります。今回はそんな梅雨の時期にも負けない食事のポイントについてお話ししていきたいと思います。
1. 気象病とは?
「気象病」という言葉を耳にしたことはありませんか?気象病とは気温、気圧、湿度などの天気の変化により起こる体調不良のことをいいます。梅雨の時期は雨が長く続いたり、気圧が低くなったりすることも多く、気象病が起こりやすいと言われています。
この体調不良は自律神経の乱れが原因で起こります。自律神経は交感神経と副交感神経の2種類から構成されており、主に交感神経は緊張や興奮、運動しているときに働き、副交感神経は食後や休息中に働きます。自律神経の乱れは、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできない時に起こります。
2. 気象病の症状
気象病の症状は人によって異なり、心身問わず様々な不調を伴います。
主な症状として、食欲不振、体のだるさ、むくみ、下痢、頭痛、不安感、めまい、不眠などが挙げられます。
3. 食事のポイント
梅雨の時期を元気に過ごすためには、毎日の食事が重要になってきます。
今回はよく起こりやすい症状別に、食事のポイントをご紹介します。
・食欲不振
湿度が高いと体内の消化吸収や水分代謝が上手くできなくなり、消化不良になりがちです。無理せず食べやすいものを食べましょう。
おかゆやうどんなど消化の良い炭水化物のほかに、内蔵の機能を修復するために必要であるたんぱく質も一緒にとることがおすすめです。また、ビタミンB1をとることでエネルギー代謝を亢進させ、食欲を取り戻す働きがあります。
味の濃いものや脂肪分が多いものなどは胃腸に負担がかかるため、なるべく避けるようにしましょう。
おすすめの食品
食品 |
成分 |
効果 |
豆腐、ささみ肉、乳製品 |
たんぱく質 |
体の機能の維持 |
玉ねぎ、ねぎ |
アリシン |
食欲を増進し、ビタミンB1の吸収を高める |
豚肉 |
ビタミンB1 |
疲労回復、エネルギー代謝に必要 |
・体がだるい、不眠、ストレス
低気圧が続くことで、自律神経が乱れて副交感神経が優位になりがちです。日中でも体が休息した状態になり、だるさや眠気を感じてしまいます。朝カーテンを開けて太陽の光を浴びたり、軽い運動などを行ったりすることで、日中に交感神経を優位にさせ、夕方から夜にかけて副交感神経を優位にさせていくという本来のリズムを取り戻せるようにしましょう。
また、疲れが溜まるのは、疲労物質が体内に蓄積され、代謝が上手くいっていないからであるとも言われています。代謝を高めるために、パントテン酸などのビタミンやミネラルをとることを意識しましょう。
おすすめの食品
食品 |
成分 |
効果 |
ピーナッツ、アボカド |
パントテン酸 |
エネルギー代謝を促す |
牛乳 |
カルシウム |
精神的疲労やイライラを静める |
大豆製品、バナナ |
トリプトファン |
睡眠に関わるホルモンのメラトニンを合成する材料となる |
・むくみ
湿度が高いと、体の水分を汗として排泄することが難しくなります。その結果、体内に水分が溜まり、むくみやすくなります。また、低気圧の影響により自律神経が乱れ、血の巡りが悪くなってしまうことも影響しています。
濃い味のものを食べ過ぎると、喉が渇いて水分の摂取量が増加してしまいます。外食やレトルト食品は塩分が多く含まれていることが多いので注意が必要です。
塩分の取り過ぎを防ぐためには、薄味を心掛け、ナトリウムの排泄を促すカリウムが多く含まれている食品をとることが効果的です。野菜やいも類、果物などを意識して摂取しましょう。カリウムは水に溶けやすいので、汁物やスープにして食べることがおすすめです。
おすすめの食品
食品 |
成分 |
効果 |
コーヒー、緑茶 |
カフェイン |
利尿作用で体内の余分な水分の排泄を促す |
さといも、バナナ、 ほうれん草 |
カリウム |
カリウムを効率よく摂取できる |
レモン |
クエン酸 |
香りや酸味によって減塩する |
4. まとめ
梅雨に起こりやすい体調不良を改善するための食事のポイントをご紹介させていただきました。毎日の食事に今回ご紹介させていただいた食品を取り入れてみてはいかがでしょうか。栄養バランスの取れた食事をとるように心がけ、梅雨に負けない体を目指しましょう。
今回は管理栄養士Iが担当しました。
参考文献:改訂新版 栄養の教科書 中嶋洋子 株式会社新星出版社