いいことアルカも食と健康

2021年7月 5日

おいしい夏野菜の選び方知っていますか?

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梅雨もあけて夏の暑さを徐々に感じてきましたね。

みなさん、おいしい夏野菜の選び方はご存知でしょうか?

いよいよ夏本番になる前に、今回はおいしい夏野菜の選び方とその栄養についてお話ししていきます。

1. 夏野菜とは

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夏野菜とは、野菜の中でも特に夏季に収穫されるものを指します。野菜は旬の時期に最も栄養価が高く、その時期に体に必要な栄養素がたくさん含まれています。
主にきゅうり、トマト、かぼちゃ、なす、ピーマン、トウモロコシ、オクラ、ゴーヤ、モロヘイヤなどが夏野菜と呼ばれています。

2. 夏野菜の種類と上手な選び方

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きゅうり(収穫時期:6~8月)

きゅうりはミネラルをバランス良く含み、90%以上が水分でできています。暑い時期に体を冷やす作用があり水分補給にも最適な夏野菜です。
ミネラルの中でもカリウムは利尿作用が高く、体内の余分なナトリウムを排出してくれます。血圧が高めの方やむくみが気になる方にもおすすめです。
きゅうり独特の青臭さのもとであるピラジンは、血液をサラサラにする効果があるため、脳梗塞や心筋梗塞を予防してくれます。

ポイント➀全体的に太く、つやとハリがあるものを選ぶ。

ポイント②鮮やかな濃い緑色で、いぼがしっかりついているものを選ぶ。


トマト(収穫時期:8~9月)

トマトの赤色はリコピンの色といわれています。
リコピンはβカロテンよりも抗酸化作用が強く、がんや動脈硬化を予防する作用があります。生で食べるより加熱した方が効率的に摂取できるだけでなく、旨味も増します。
また、ビタミンCやケルセチンも含まれており、紫外線から肌を守ってくれます。トマトの酸味成分であるクエン酸は疲労物質を取り除き、水溶性の食物繊維のペクチンには便秘解消やコレステロールを低下させる働きもあります。食物繊維は皮に多く含まれているので、皮もまるごと食べるようにしましょう。

ポイント➀全体に丸みがあり、ずっしりと重みがあるものを選ぶ。

ポイント②ヘタがピンと張っているものを選ぶ。

ポイント③花落ちの部分から放射状にやや黄色がかった線がでているものは甘味が強い。


かぼちゃ(収穫時期:6~9月)

「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」ということわざがあります。かぼちゃに含まれる豊富な栄養が風邪などへの抵抗力を高めるといわれています。
そんな秋や冬のイメージがあるかぼちゃも実は夏に収穫される夏野菜です。
日本かぼちゃに比べ、西洋かぼちゃの方がβカロテンは約4.7倍、ビタミンCは約2倍も多く含まれています。
また、ビタミンEも多く含まれており、強力な抗酸化作用が老化や動脈硬化を防ぎ、血行を良くして肩こりや冷え性を改善してくれます。
ビタミンEは脂溶性ビタミンのため、油で調理すると吸収率が高まりおすすめです。

ポイント➀左右のバランスが良く、皮がかたいものを選ぶ。

ポイント②カット面が新鮮で、ヘタから花落ち部分にかけて果肉が厚く明るい黄色のものを選ぶ。

ポイント③種は大きくぎっしり詰まったものを選ぶ。


なす(収穫時期:7~9月)

なすの紫色はナスニンといわれるアントシアニンの一種です。抗酸化作用のほか、眼精疲労をやわらげ眼の働きを良くする効果があるといわれています。
また、アクの成分のクロロゲン酸はポリフェノールの一種で、抗酸化作用が高く、老化やがんを防ぐとともにコレステロール値を下げて動脈硬化を防ぐ働きもあります。
アントシアニンやポリフェノールをしっかり摂取するには、なすを皮ごと調理し、水にさらすのは短時間に抑えることがポイントです。

ポイント➀ヘタの切り口がみずみずしく、ガクのとげがとがっているものが新鮮。

ポイント②左右対称でバランスが良く、濃い紫色で光沢があるものを選ぶ。


ピーマン(収穫時期:6~8月)

ピーマンの青臭さのもとであるピラジンは血液をサラサラにして、脳血栓や心筋梗塞を予防するといわれています。
抗酸化作用の高いβカロテン、ビタミンC、ビタミンEも多く含まれており、疲労回復や風邪予防にも効果的です。
ピーマンは青椒肉絲など牛肉と合わせると、体力増強効果が期待でき、貧血の予防にもなります。

ポイント➀濃い鮮やかな緑色で、ハリと光沢があるものを選ぶ。しわがあるものは避ける。

ポイント②ヘタが黒ずんでいるものは鮮度が落ちているため避ける。

ポイント③全体のバランスが良く、肩の部分が盛り上がっているものを選ぶ。


トウモロコシ(収穫時期:8~9月)

世界三大穀物のひとつであるトウモロコシは炭水化物含有量が多く、体のエネルギー源として働きます。そのほかにも抗酸化作用のある亜鉛やリノール酸が多く、細胞の酸化を抑えて老化を防止してくれます。
また、胚芽の部分にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEが多く含まれ、食欲増進や皮膚を活性化して美肌を保持する働きがあります。粒の皮の部分には不溶性食物繊維が多く、便秘を解消して大腸がんを防いでくれます。

ポイント➀ひげの数は粒の数と同じなので、ひげのボリュームがあるものは粒が多い。

ポイント②粒につやとハリがあり、そろっていて隙間がないものを選ぶ。

ポイント③皮は緑色が鮮やかでうぶ毛が生えているものを選ぶ。


オクラ(収穫時期:7~9月)

オクラのネバネバは水溶性食物繊維のペクチンという成分です。このネバネバが粘膜を保護することで胃炎や胃潰瘍を予防してくれます。糖の吸収を穏やかにする働きもあるため、糖尿病の予防にも役立ちます。
また、ペクチンは便秘を改善したり、コレステロール値を下げて動脈硬化を防ぐ役割もあります。

ポイント➀うぶ毛がびっしり生えているものを選ぶ。

ポイント②鮮やかな緑色でキズがないものを選び、黒ずんでいるものは避ける。


ゴーヤ(収穫時期:6~8月)

ゴーヤ独特の苦味成分はククルビタシンとモモルデシンというフラボノイドの一種です。抗酸化作用が高く、動脈硬化やストレス性の胃潰瘍、十二指腸潰瘍を予防する働きがあります。
また、苦味成分とビタミンCの相乗効果で免疫力も高まります。

ポイント➀いぼにつやとハリがあり、黒ずみがないものを選ぶ。

ポイント②濃い緑色で凸凹が細かい⇒苦味が強い。薄い緑色で凸凹が大きい⇒苦味が弱い。


モロヘイヤ(収穫時期:7~9月)

モロヘイヤを刻んだ時にでてくるネバネバは水溶性食物繊維のペクチンで、便秘解消などの整腸作用が期待できます。このネバネバには粘膜を修復・保護する働きや血糖値の上昇を抑制する働きがあります。
また、カルシウムやビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKも多く含まれており、骨粗鬆症予防の強い味方です。

ポイント➀濃い緑色で、葉にハリがあるものを選ぶ。

ポイント②茎に葉がしっかりとたくさんついていて、葉脈が左右対称のものを選ぶ。

3. 夏野菜がさらにパワーアップ...!?

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栄養満点の夏野菜をさらにパワーアップさせる食べ方があります。それはぬか漬けです!
ぬか漬けにすると、ぬかに多く含まれているビタミンB1などを吸収するため、疲労回復効果もアップします。
ぬか床にはビタミンB1以外のビタミンB群や、ビタミンE、乳酸菌なども含まれています。
ぬか床に含まれる乳酸菌は腸内環境を整えてくれるので腸活にもおすすめです。

栄養満点のぬか漬けですが、塩分の取り過ぎには注意が必要です。
1日に3切れ程度までを目安にして食べ過ぎないようにしましょう。

ぬか漬けに含まれる塩分は以下の通りです。

きゅうり(3切れ15g)→ 0.8g
なす(3切れ15g)→ 0.4g

最近では、ぬか床キットなどもよく見かけますよね。
手作りのぬか漬けは、漬ける時間や食塩の使用量で塩分調節することができるのでおすすめです。

4. まとめ

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おいしい夏野菜の選び方はいかがでしたか?
お買い物に行かれた際にはぜひ参考にしてみてくださいね。 

外出ができず、ご自宅で過ごされる時間が増えていると思います。
そんな今だからこそ、料理だけでなく、野菜の栽培や自家製のものを作ってみたりと、新しいことを楽しみたいですね!

今回は管理栄養士のYNが担当しました。

 

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参考文献:「知識ゼロからの野菜入門」植木もも子 幻冬舎
日本食品成分表2019 七訂 医歯薬出版株式会社

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