2022年8月 1日
気になる紫外線の対策と予防
こんにちは。アルカ栄養士のNです。
日差しが強く、紫外線が気になる日々が続いていますね。みなさん紫外線による肌の影響に悩まされているのではないでしょうか。今の季節の紫外線は一年の中でも特に強くなるので、正しい予防をすることが大切です。今回は、紫外線についての基礎知識と紫外線の予防ついてお話したいと思います。
1. 紫外線とは
<画像:環境省 紫外線環境保健マニュアル2020 引用>
1)性質
太陽の光には、可視光線と言われる目に見える光のほかに、目に見えない赤外線や紫外線が含まれています。地表に届く光の中で最も波長の短いものが紫外線で、性質によってA・B・Cの3つに分けられます。
UV-C:オゾンなどの大気圏で吸収され、完全に遮られるため地表には到達しません。
UV-B:オゾンなどの大気圏で吸収され、地表に届く量は減りますが、一部は地表へ到達します。人体に有害なもので、日焼けや皮膚がんの原因となるUV-Bは、オゾン層の変化に影響されるので、近年地表に届くUV-Bの増加が懸念されています。
UV-A:シミやシワの発生に大きく関わるのがUV-Aです。UV-B、UV-Cに比べると眼や皮膚への影響は少ないですが、UV-Aの多くが地表に届くので長時間あたる場合の健康被害が懸念されています。
2)強さ
時間帯、季節、天候、オゾン量により、紫外線の強さは大きく変動します。
一日の中では、太陽が一番高くなる正午、季節では6月~8月に最も紫外線が強くなります。
2. 紫外線による健康への影響
1)急性
日焼け、紫外線角膜炎(雪目)、免疫機能低下
2)慢性
皮膚への影響:シワ、シミ、皮膚がんなど
目への影響 :翼状片、白内障など
3. 過度の紫外線を浴びないためには
対策の5つのポイントをご紹介します。
1)紫外線が強い時間帯の外出を避ける
[ポイント]
各地域で太陽が最も高くなるときを避けて、外出をしたり、屋外で遊びましょう。
2)肌の露出を減らし、帽子をかぶる
[ポイント]
熱中症には気をつけなければいけませんが、紫外線から皮膚を守るためには、袖が長い襟つきのもので織目・網目がしっかりした、目が詰まっている衣類が良いでしょう。
3)日陰を利用する
4)日傘やサングラスを使用する
5)日焼け止めを使用する
4. 体の内側から紫外線対策をしましょう
肌がダメージを受けてからではなく、紫外線対策になる栄養素を含む食品を積極的に摂ることで内側からも対策していきましょう。
1)活性酸素
体内では常に活性酸素が生じているのですが、紫外線を浴びることにより、活性酸素は増加します。活性酸素は体内を酸化させる物質で、細胞を傷つけます。皮膚で酸化が起こると皮膚の免疫機能を低下させたり、シミ・シワ、老化やがん等の原因にもなります。
2)抗酸化物質
増加した活性酸素から体を守ることを抗酸化作用といい、抗酸化物質は体の酸化を抑えて細胞を守る働きがあります。抗酸化物質の代表的な栄養素には、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEなどがあります。
3)紫外線対策に効く栄養素
【ビタミンC】
ビタミンCは、レモン・キウイフルーツ、ピーマンやブロッコリー、芋類に多く含まれます。
体内では作られないため食品から摂取が必要です。大量に摂取しても尿から排泄されます。
【ビタミンA】
ビタミンAは、レバー・うなぎ、ほうれん草やモロヘイヤに多く含まれます。
【ビタミンE】
ビタミンEは、植物性油脂、かぼちゃ、ナッツ類などに多く含まれます。
強い抗酸化作用を持っています。
◇◆赤い食材◆◇
【リコピン】
リコピンといえば、トマトを思い浮かべる方は多いと思いますが、他にもスイカや柿にも含まれている色素です。リコピンは、野菜・果物に含まれる「カロテノイド」という色素成分の1つで、強い抗酸化作用を持っています。
【アスタキサンチン】
アスタキサンチンも赤色の色素「カロテノイド」の1つで、エビ・カニなどの甲殻類や鮭など魚介類に多く含まれています。
アスタキサンチンを食べることにより、抗酸化作用や免疫機能の向上が期待出来るので積極的に食事に取り入れることがおすすめです。
【βカロテン】
βカロテンは、モロヘイヤ、かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれます。
リコピンやアスタキサンチン等を含むカロテノイドは、カロテン類とキサントフィル類の2つに分類されます。βカロテンは、そのカロテン類の代表的なもので、強い抗酸化作用を持っています。βカロテンを摂取すると、体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。変換されなかったβカロテンは、抗酸化作用により活性酸素が原因となる症状の予防が期待出来ます。
[ポイント]
ビタミンA、ビタミンEは油と一緒に食べることで効率よく吸収が出来るので、炒め物などの調理方法がオススメです。
5. まとめ
紫外線が気になるとはいえ、全く浴びない方が健康のためかというと、そうではありません。
日光が皮膚に当たることにより、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で作られます。このビタミンDが骨粗鬆症の予防に繋がるので、健康のためには適度な日光浴も必要です。
夏は陰があるところで30分、冬は手や顔などの体に1時間程度の日に当たることでじゅうぶんな日光浴になります。
紫外線予防をしながら、健康的に真夏を乗り切りましょう!
参考文献
「紫外線環境保健マニュアル(環境省 外部サイト)」
http://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf
「公益財団法人骨粗鬆症財団」
https://www.jpof.or.jp/osteoporosis/case/sunbathing.html
「公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka-yobou/kousanka-zai.html