知ろう〜意外と知らないクリスマス〜
こんにちは。アルカ管理栄養士のKです。
今年も残すところ1ヶ月となりました。街はきれいなイルミネーションで彩られ、すっかりクリスマスムードですね。クリスマスは子どもだけでなく、大人も楽しみなイベントのひとつではないでしょうか。しかし、そもそもクリスマスはどのような日なのでしょうか。
今回は、クリスマスの由来とクリスマス料理についてお話ししたいと思います。
1. クリスマスとは
クリスマスの12月25日はイエス・キリストの誕生を祝う、キリスト教徒にとって最大の祭日のひとつです。しかしながら、実際の誕生日ははっきりとわかっていません。
もともと12月25日はヨーロッパの古い暦で、1年で最も昼が短い冬至にあたる日でした。この日を過ぎるとだんだん日が長くなるため、キリスト教が広まる前までは「光の生まれる日」としてお祝いされていました。キリスト教では、世界に光をもたらすのはイエス・キリストであると考えられていたため、この日が誕生日にふさわしいと考え、決めたとされています。
また、クリスマス・イブのイブは英語でお祭りの前の夜という意味です。しかし、聖書には「夕があり、朝があった それが第一日であった」と記されています。昔は1日のはじまりは夜と考えられていたようです。イブはお祭りの前の夜ではなく、お祭りのはじまりを指していたのかもしれません。
2. 日本のクリスマスのはじまり
日本ではじめてクリスマスを祝ったのは、明治8年(1875年)東京の原女学校ではないかと言われています。日本では、長い間キリスト教が禁じられていました。
明治6年(1873年)になって、キリスト教の信仰が認められ、クリスマスを祝うことができるようになりました。一般の人々の間に広まったのは、昭和20年代になってからです。昭和30年代になると、家庭でもクリスマスケーキを食べたり、プレゼントをもらったりする習慣が定着しました。
現在では、宗教的な意味とは関係のない年間行事として楽しまれていますね。
3. クリスマスのごはん
クリスマスのごちそうで思い浮かぶものに、ローストターキーがあるのではないでしょうか。
クリスマスに七面鳥(ターキー)を食べるのは、アメリカの感謝祭に七面鳥を食べるという習慣がもとになっています。これがヨーロッパにも伝わり、定着したと言われています。七面鳥は太陽と関係の深い動物と言われており、大きな卵を産む、みのり豊かな鳥なのです。
日本にも七面鳥は持ち込まれましたが、入手が困難なことや調理が難しく、浸透しませんでした。戦後、鶏肉の供給が増えた背景もあり、七面鳥の代わりにローストチキンなどニワトリを食べる習慣が広まりました。
4. ローストチキンに含まれる栄養
ローストチキンと言うと、本来は鶏の丸焼きを指すことが多いですが、調理のしやすさなどから小分けの骨つき肉が多く見受けられます。鶏肉には良質なたんぱく質をはじめ、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。
◎たんぱく質
骨や筋肉、臓器など体のあらゆる組織を作るのに欠かせない栄養素です。たんぱく質が不足すると、体力や免疫力など体の機能低下や、筋肉の減少による基礎代謝の低下を招きます。
健康維持のためにも年齢問わず、毎日しっかり摂取することが推奨されています。
※たんぱく質の推奨量
18〜64歳男性:65g/日、65歳以上男性:60g/日、18歳以上女性:50g/日
◎ビタミンA
皮膚や粘膜を正常に保ち、細菌の感染や乾燥を防ぐ働きがあります。また、目の健康維持にも不可欠で、不足すると暗い場所で視力が著しく悪くなる夜盲症になるリスクがあります。
◎ビタミンB2
三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝に欠かせない栄養素です。不足すると、肌荒れや口内炎、ニキビなどのトラブルを引き起こします。さらに、慢性化するとエネルギー代謝が上手くできず、成長障害を起こすことがあります。
◎ビタミンB6
たんぱく質や脂質の代謝にかかわっています。分解されたアミノ酸は、たんぱく質の再合成に使用されたり、脳の神経機能維持を助けるなどしています。不足すると、皮膚炎や神経障害などを起こすことがあります。
◯ロースト調理のメリット
お肉を切らずに塊のまま、直火もしくはオーブンで焼くことをローストと言い、日本語では蒸し焼き、炙り焼きを指します。お肉をオーブンでローストすると、蒸し焼きになるため肉汁が流出せず、旨味を閉じ込めたまましっとりと焼き上げることができます。
カロリーが高いと言われるローストチキンです。カロリーやコレステロールが気になる場合は、むね肉を選んだり、皮をはがすと良いでしょう。ただ、皮にも栄養が豊富に含まれています。気にならない場合は、皮ごと食べることをおすすめします。
5. まとめ
今回はクリスマスの由来やクリスマスのごはんについてお話ししてきました。
クリスマスは世界中でお祝いされており、まだまだたくさんのお話があります。南半球の夏のクリスマス、クリスマスに食べられているお菓子、サンタクロースのお話など、調べてみるのも楽しいかもしれません。ぜひそれぞれのクリスマスを楽しんでください。
《 参考文献 》
「年中行事」 新谷尚紀(監修)ポプラ社
「クリスマス・クリスマス」 角野栄子(作)福音館書店
「クリスマス辞典」 国際機関日本サンタピア委員会(監修)あすなろ書房
「きちんとわかる栄養学」 飯田薫子(監修)寺本あい(監修)西東社
織田調理師専門学校 https://cook.oda.ac.jp/column/1333/