2023年8月 1日
"正しい水分補給"知っていますか?
こんにちは。管理栄養士のUです。
夏本番の季節となり暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
私たちが生きていくためには「水分」は必要不可欠ですが、夏は特に水分が失われやすくなります。
また水分不足になると熱中症や心筋梗塞、脳梗塞などのさまざまな障害の原因となります。
こういった健康障害の予防にはこまめな水分補給が大切です。
今回は正しい水分補給についてお話したいと思います。
1.水分不足になるとどうなる?
体内に水が入る量と排出される量はほぼ同じように調整されています。
体内で水は体温を調節、体内の物質を運び老廃物は体外に排出、浸透圧の維持、酵素反応など化学
反応の場といった働きをしており、このような水の働きによって生命の維持がスムーズに行われています。
成人の体の55~60%、新生児・乳幼児は65~80%を水分が占めており、例えば70キロの成人男性(水分60%)だと水分は約42㎏になります。
のどの渇きは、体から1%の水分が失われると感じます。
水分を5%失うと・・・脱水症状、熱中症
10%失うと・・・筋肉の痙攣、循環不全の症状
20%失うと・・命を落とす可能性がある
★水分不足のサイン
・尿の色が濃くなる
・喉が渇く
・頭痛
・めまい、立ちくらみ
・手足のしびれ
上記のような症状がある場合は水分不足の可能性があるので、いきなり大量の水分は摂らず
ゆっくりと水分を摂るようにしましょう。
2. どのくらい水分を摂ればいい?
厚労省の調査によると水の必要量は生活活動レベルが低い人で2.3~2.5L/日程度、生活活動レベルが高い人で3.3~3.5L/日程度とされています。
人は飲料水からだけではなく代謝や食べ物からも水分を摂っています。
食事中に摂る水:約600ml/日
飲料水:約1500ml/日
代謝水:300ml/日
※代謝水...摂取した食べ物が体内で分解されるときに発生する水のこと
そのため1日の水分摂取量は飲料水からだけでなく、代謝や食事から得ている水分量も含めて考えましょう。
成人が1日に必要な水分量は計算で求めることができます。
【計算式】体重(㎏)×年齢別必要量(ml)=必要水分量【年齢別必要量】
30歳未満:40ml
30~55歳:35ml
56歳以上:30ml
この中には食事に含まれる水分量が含まれるので、飲料分はそれを差し引いた量となります。
【例】40歳/55㎏場合:55(㎏)×35(ml)=1925mlから食事中に含まれる水分(約600ml)を引くと
飲料水からは約1.3Ⅼ程摂れば良いということになります。
3. 正しい水分の摂り方
水分は起床時、運動の後や入浴後などに不足することが多いです。
水を飲むタイミングとしては、起床時、食事中、運動の前後、就寝時が好ましいでしょう。
ただ水分を摂ればいいという訳ではなく、汗をかいたときは経口補水液等で塩分などの電解質補給もしっかり行いましょう。
また水分が体内に吸収されるまで20~30分はかかるため、喉が渇いたと感じる前にこまめに水分補給を行うことが大切です。
暑い時は冷たい飲み物を飲みたくなりがちですが、冷たい飲み物は胃を冷やす原因になるので常温程度の飲み物がおすすめです。
しかし熱中症などを引き起こしてる時は冷たい飲み物で体を冷やしましょう。
コーヒーや紅茶はカフェインを多く含み利尿作用があり、体外にそのまま排出される割合が高いため、注意が必要です。
4. 水分の多い食べ物
水分の多い食べ物(100gあたり) |
|||
野菜 |
果物 |
||
レタス |
95.90% |
イチゴ |
90.00% |
きゅうり |
95.40% |
スイカ |
89.60% |
白菜 |
95.20% |
オレンジ |
86.80% |
大根 |
94.60% |
桃 |
88.70% |
白菜 |
95.20% |
パイナップル |
85.20% |
もやし |
92% |
グレープ フルーツ |
89% |
表の通り野菜や果物には水分がたくさん含まれているものが多く、またビタミンや食物繊維が豊富です。
夏バテにより食欲がなくても食べやすい食材でもあるので、意識して摂ってみてはいかがでしょうか。
また水分を多く含む料理は鍋、麺類、シチュー、カレー、 汁物、茶わん蒸し、お茶漬け、お粥などがあります。
食事から水分を摂るためにも1日3食しっかり食事を摂るように心がけましょう。
5. 手作りレシピ
自家製レモネード
【材料(5人分)】
レモン | 2個 |
はちみつ | 30g |
砂糖 | 100g |
水 | 適量 |
【作り方】
1、レモンをよく洗いキッチンぺーパーで拭き、約2ミリ幅の輪切りにする
2、保存瓶をよく洗い水気を切りアルコールで殺菌する
3、殺菌した保存瓶に砂糖→レモン→はちみつを交互に重ね入れする
4、蓋をして2~3日常温の涼しい所にねかせたら完成
6. まとめ
水分が失われやすい夏の時期はこまめに水分補給することがとても大切です。
また水分だけでなく、汗をかいたら塩分などの電解質なども補給を忘れず正しく水分補給を行い、十分な睡眠と栄養バランスの整った食事を摂って健康に暑い夏を乗り切りましょう♪
参考文献:
八訂食品成分表2022(香川 明夫監修)
食べ物と健康1第3版編(池田 清和、柴田 克己 編)
カレント臨床栄養学第3版(明渡 陽子、長谷川 輝美、山﨑 大治 著編)
「健康のため水を飲もう」推進運動(厚労省HP)